第1学期 終業式 校長 古賀誠子
第1学期 終業式
校長 古賀 誠子
大変な1年の始まりでした。3月コロナウイルス感染症の拡大が始まり休校、4月になっても事態は改善せず、結果として6月まで、3か月間に及ぶ長期の休校になりました。私の教員生活においても、こんな経験は一度もしたことがありません。始業日に、放送でお話ししましたが、「あたりまえ」が奇跡であったと知りました。なんとか8月7日まで、授業を予定通り行うことができたこと、「あたりまえ」の奇跡の連続を、心から神様に感謝します。
さて、1学期は、始業式、入学式、体育会、次々と大きな行事を中止にせざるを得ませんでした。また、部活動の練習も状況次第で、制限が多く、不自由をかけてしまいました、本当に心苦しく思っています。皆さんがよく協力してくれたため、先生たちもその姿に大いに励まされ、1学期を終えることができました。早くコロナが終息し、日常を取り戻すことができるようまだまだひたすら耐える時ですが、「あと少し、あと少し」と信じて、共に頑張りましょう。
1年生の皆さんは、せっかくの新しい生活の始まり、不安を抱えながらの4月だったことだろうと思います。新しい学校、クラス担任、友人と上手く関わることはできましたか。勉強や部活動、何もかもが中学校とは違います。高校は、自立と自主性の幅が広がり、人との関わり方も大いに異なります。戸惑いもあったことでしょう。高校生活、いよいよここからが本番です。部活動、勉強、友人との関わりにおいて、自分はどうありたいですか。答えは人の中にはありません。思い出してください、あなたは毎日「選び直し」をしていますか。「選ぶ基準は、好き嫌いではありません。」とシスターは言われました。神様に愛されている「私」になっていく選びでありますように。「どうありたいか」ではなく、「どうあるべきか」感じ、選び取れるあなたでありますように。2学期の成長を大いに期待しています。
2年生の皆さん、中堅学年になり、学校がしてくれることではなく、学校のために何ができるのかが問われる立場になりました。先日の生徒会長立会演説会、会長の演説の中に「留学の中断を余儀なくされ、大きなショックを受けたが、現実を受け入れて、なすべきことをなす自分でありたいと考えた。すなわち、このような中で自分が学校のためにできることやろうと決心した。」とありました。彼女の話を聴いて、感動しました。留学から帰国まで大変な苦労があったことを知っています。そのような苦しい状況の中で、大変強い人へと成長しています。応援の仲間たちも、同じ状況におかれた人ばかりでした。みんなで力を合わせて乗り越えたいという思いが伝わりました。さすが高2です。本当に明るい希望が見えます。リーダーがしっかりと、力強く立つためには、皆さん一人一人が、生徒会役員を支えます。生徒会役員は生徒会長を支えます。そうすれば、リーダーは時にかなった賢い判断ができます。そしてリーダーは、339人のために、汗を流して働くものとなりますように、それが本校のリーダーの考え方です。きっと学校がよりよいものとなります。愛すべき母校に創り上げていくのは、まさに2年生の皆さんの腕にかかっています。
3年生の皆さん、進路決定で心を悩まし、そして休校による学習の遅れを取り戻すことに大変な1学期だったと思います。オンラインも慣れるまで大変だったことでしょう、よく頑張りました。2学期はいよいよ進路が決まり始めます、およそ3年間の学院での生活を通して、あなたの「あるべき姿」は「地の塩、世の光」です。自分自身も社会のどの場所で生きていくのか、見えてきたことでしょう。時間は刻々と過ぎていきます。時が来ればここを出て、大海原へ船を漕ぎ出していきます。専門の分野を決定し、それを極めること、そこにあなたの使命があります。あなたはあなただけのものではありません。社会のために、隣人のために「自分をお使いください」と言える高3でありますように、それが受け継ぐべき海星魂です。いよいよ3者面談が始まり、次への進路につなぎます。担任の先生に何でも話してください。1人よりも2人、2人よりも3人で話したほうが、よりよい決断ができます。また、両親や先生方の助言は素直に聞き入れ、よきものを選び取っていく賢さを持っていると信じています。
これから少しの間ですが、夏季休業に入ります。皆さんも知っている通り、コロナウイルス感染症感染者数が激増しています。緊張感をもって休暇を過ごしてください。「感染しない、感染させない」行動をもう一度強調します。密集、密接、密閉の回避、換気、咳エチケット、手洗いを徹底します。
今日の聖書朗読は、「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」でした。世界中で、多くの方々がお亡くなりになりました。そしてそこには、その死を悲しむ家族がおられます。また、家族にも会えないまま、多くの方々が病院のベッドで病に苦しんでいます。ガラス越しでしか家族に会えない高齢者の方々がいらっしゃいます。苦しみや悲しみが癒されますようにと、私たちは心を合わせて祈ります。神様はいつも泣く人と共におられ、苦しむ人と共におられます。海星の生徒は、そこにおられる神様と共に歩みます。「思いがあって奇跡が起きます。そして実現していきます。深い思いをもって人に寄り添いたいですね。きっと奇跡が起きます。」(シスター入江)
そして、あなたも今日も隣人から祈られている存在であることを忘れないでください。
2学期、元気にまたお会いしましょう。